浅田真央 鐘
これまで、浅田真央のバンクーバーのショートプログラムとエキシビションの動画をお届けしましたが、今回はフリープログラムです。場面は世界選手権。

見事に優勝しましたが、その得点については色々批判もありました。
確かに納得できない採点でしたが、しかしその演技は、まさにラフマニノフの鐘を見事に演じた、最高の演技でした。

まあ点数については、様々なことが言われているので、何も申しませんが、今回の浅田真央の演技は、点数よりも、その演技がもたらす芸術性では、キム・ヨナを遙かに凌いだ渾身の「鐘」だったと思います。

得点のための安全策を選ばず挑戦をしていった、その潔さも含めて、私的には、200点オーバーの自己最高得点となる、そして得点以上に心に響く演技でした。

そのフリーの曲は、ラフマニノフ前奏曲 嬰ハ短調「鐘」です。「前奏曲嬰ハ短調 鐘」は、ラフマニノフ「5つの幻想的小品集」の2曲目の作品で、この曲は、ロシア出身のラフマニノフが若い頃に作曲した曲ですが、いきなり大きな反響を呼びました。ロシアの人々にとって「鐘」はロシア正教会の「鐘」ともダブり、特別な思いで受け取られているそうです。

ラフマニノフ自身が鐘について「生涯を通じて、私は喜びに震える鐘や悲し気な鐘の様々な調べを愛してきた。この鐘を愛する心は全てのロシア人のもの。私の幼い頃の思い出はノーヴゴロドの聖ソフィア寺院の巨大な鐘の四つの音。鳴らす者は芸術家だった。その響きから涙を想った」と語っていたそうです。

鐘はロシアの人々にとって特別なものだったのでしょう。もちろんあのタラソワコーチにとっても。

そして1917年のロシア革命。これによって革命を賛美しない多くの文化人が殺されました。そのためラフマニノフはロシアを脱出した後アメリカに渡り、その後ソビエト政府がいくらコンサート要請を行なっても応じなかったと言う事です。

こういう歴史があるこの「鐘」、アメリカでは「モスクワの鐘」として紹介されたピアノ曲だったそうですが、名指揮者ストコフスキーが重厚なオーケストラ曲として編曲し、浅田真央のフリープログラムとしても選ばれました。

アスリートとして点数を挙げるだけではない、芸術家、表現者としての魂がこもった迫真のフリー鐘」の動画です(画面が小さく見にくかったので、5月1日に修正して大きくしました)。

今後は、引退する選手や新たな若手選手もでてくるでしょうが、浅田選手にはソチ目指してがんばってもらいたいですね。
[広告] VPS
スポンサーサイト
2010.04.30 Fri l フィギュアスケート l コメント (10) トラックバック (0) l top